年末年始ということで、実家に帰省してきました。
いつもは公共交通機関を使って帰るところですが、一回もバイクで帰ったことがなかったので、挑戦の意味も込めて、今回は愛車で行ってまいりました。
高速を使わず、下道を走ったのですが、なんと片道8時間。
普段のツーリングでは片道2~3時間を目安として計画立てていますので、久々の長丁場はさすがに体にくるものがありました。
しかし、その分、さまざまな経験ができたと思っています。
私は見慣れない街や景色を見るたびに予定していたルートをはずれ、気になった場所、全てに立ち寄ってみました。
実は時間がかかった理由のほとんどはここにあります。
ある街では洒落た外観の古びた喫茶店に入り、初対面のマスターでしたが、バイク好きとのことで1時間ほど話し込んでしまいました。
彼は6回の乗り換えを経て、現在はBMWのR1200GSに乗っているようです。
このモデルは非常に高価で中古車でも新品の普通車を買えてしまうほどの値段がするのですが、その点だけでも店と同じように相当な年季が入っているなと感じたのを覚えています。
旅の内容を話すと大変に喜んで、コーヒーを一杯サービスして頂きました、ありがとうございます。
そのお店を発って、2時間ほど走ったところでしょうか、視界一面の田園地帯が現れました。
地元もそれに近いような場所がありますので、到着したかと力が抜けましたが、よく見てみると2つも県が離れている地域でした。
さすがに気持ちを入れ直さなければ危ないと、道沿いに愛車を停め、一息ついていました。
すると、空を大量の渡り鳥が大きな輪を作って飛んでいきました。
見届けたあと、心がすっと軽くなり、癒しとはこのことなんだろうと初めて知った気がしました。
あの景色は今でも頭に残っています。
これらはほんの一部ですが、大事な思い出となっています。
交通機関を使うと、車内では本を読んだりしていますので、外の景色を見ることはなく、どういった街を通って、どんなものがあるのか、など知るはずもありません。
ですが、今回の旅ともいえる道のりのなかでそれら全て見ることができ、充実した時間を過ごせた気がしています。
もし、機会があれば、みなさんもぜひやってみてほしいなと思います。
疲労困憊の体で実家に着いた私ですが、頭の中は充実感で溢れ、久しぶりに会った家族達に一生懸命、あった出来事を話していました。
本来は私が親孝行をする場ではあるのですが、労をねぎらってくれたのか、随分良くしてくれました。
その点でもバイクで来てよかったなと図々しくも感じてしまいました。
それからの数日、ゆっくりとした時間を家族ともに過ごし、心身ともにリフレッシュした私は自宅へ帰還しました。
やはり、実家というのは心地よく、いつでも暖かく迎えてくれる存在がいるだけで嬉しいものです。
そして最近は、次回の帰省の際にどういったルートで帰ってみようかと計画しています。