昔から「食欲の秋」と言われているように、秋は食欲が増進する季節です。 夏の間は暑さで食欲があまりなく体力も失われがちですが、秋になると俄然食欲が出てくるのにはきちんとした理由があります。
秋になって日照時間が短くなるのに伴い、「セロトニン(serotonin)」という神経伝達物質が減少します。 セロトニンが減少すると、食欲が増進することが研究で確認されています。 セロトニンには精神を安定させる役割もあるのですが、セロトニンが増えると満腹感を感じ、食欲が抑制されます。 ですから、夏に消耗していた体に滋養を与えるためにも、涼しい食欲の秋が到来したらおいしいものをいっぱい食べましょう。
より効率よく体力を回復させるためには、旬の食材をメインにした献立を立てることが大切です。 例えば、秋になると旬の品物が出回るサツマイモなどは、食物繊維が豊富なだけではなくカリウムやビタミンCをたっぷりと含んでおり、腹持ちがいいというメリットもあります。 さつまいもに含まれているビタミンCは加熱しても壊れにくいので美肌を気にする女性ライダーにもおすすめです。
また、キノコ類も体にいいので、食欲の秋には積極的に摂りたいものです。 疲労回復に効果のあるビタミンB群がキノコ類にはたくさん含まれており、カルシウムの吸収を助けてくれるビタミンDにも恵まれているので、骨粗鬆症対策にもぴったりです。
栗やナシなども、代表的な秋の味覚です。 栗に含まれているビタミンCも熱で破壊されにくいので、積極的に食べると良いでしょう。 渋皮には「タンニン」という成分が含まれており、強力な抗酸化作用を発揮してくれます。 ナシには殺菌作用があり、さらにサポニンやアスパラギン酸などの有効成分が多く含まれていますので、生クリームやバターを使ったお菓子よりも梨を食べるほうがヘルシーです。
食品の中には、組み合わせて食べることによってより高い効能を得ることができるものがありますので、ぜひ実践してみましょう。 サツマイモとりんごを合わせて食べれば、ビタミンCとカリウムを効率よく摂取することができ、血圧を下げて動脈硬化を予防することも可能です。 サツマイモとりんごのサラダなどは短時間で簡単に作れる手軽なお惣菜として人気です。 ドレッシングにはちみつを加え、レーズンをトッピングすれば、それだけで軽い昼食にもなります。
また、イカやタコと栗を一緒に食べると、栗のビタミンB1とイカ・タコのタウリンの相乗効果で疲労回復に役立ちます。 秋の味覚の代名詞ともいえるサンマは、すだちや大根おろしと一緒に食べるようにしましょう。