交通事故を起こした、交通事故にあったという場合で100%相手に過失があるということは少なく、通常、道路上の交通事故等に関しては、双方に責任があるということが多いです。 この場合、お互いで損賠賠償を行うことになりますが、ここで重要になってくるのが、過失割合です。
過失割合というのは、加害者、被害者双方が負担すべき損害賠償責任の「割合」を指しています。
民法第722条第2項によって、当事者間における損害額の公平負担の見地によって、損害の発生、拡大に関し被害者にも過失があるという場合、その割合分、損害賠償額が差し引かれるとされており、このことを「過失相殺」といいます。
過失割合の判例は、過去に起きた交通事故の形態によってある程度定格されており、その判例から過失割合が決定することが多いです。
例えば車が横断歩道を赤信号で侵入し、横断歩道を青信号で横断していた歩行者に衝突したという場合、被害者は歩行者となりますが、この場合、被害者側の過失割合はゼロ、全面的に相手が補償することになります。
車が横断歩道を黄色信号で侵入し右左折し、歩行者が横断歩道を信号点滅の時に横断し衝突したという場合には、被害者となる歩行者側に過失割合が20%、加害者となる車側に80%となります。
車が赤信号で交差点に進入し、バイクが赤信号で交差点内に侵入して衝突という場合には、加害者となる車側に60%、被害者となるバイクに40%の過失割合となります。 もちろん事故の状況囲よって加算されたり、減算されるということがありますが、以前に起きた事故を判例として、ある程度、定型化されているのです。
交通事故の状況等によって過失割合が異なってきますが、いずれが加害者になるかどうかはっきりわからないということもあります。 交通事故を起こした、交通事故にあったという時、出来る限り現場の状況を把握しておくということも必要です。
自賠責保険に関しては、この保険が被害者保護ということに重点を置いた保険となるので、民法第722条第2項に定められている「過失相殺」はそのまま適用となりません。
被害者に重大な過失がある場合のみ減額されることになっており、この場合、重過失減額とされます。 被害者に70%以上の過失がないという時には、減額とならないのでこの自賠責と任意保険との過失相殺に関しての違いも理解しておくべきです。
交通事故は起こそうと思っておきるものではなく、何らかのきっかけ、また心の緩みや焦りなどから起る事が多いです。 交通事故をいつ起こすかもしれない、またいつあうかもしれないと心にしっかりと留め置き、その上で安全運転を心がけること、また任意保険に加入しておくことが求められます。