交通違反をした際、警察から手渡される「青切符」。違反をした証拠書類として警察官から提示され、時に「ここにサインや押印をお願いします」と言われることも多いでしょう。しかしこの押印やサインは、法律で義務付けられたものではなく「任意」であることをご存じでしょうか?
2024年5月、河野太郎デジタル大臣がSNSで「交通違反の際、青切符への押印やサインは任意」と投稿し、大きな注目を集めました。これを受け、押印に関する疑問や「拒否しても問題ないの?」といった声が多く挙がっています。この記事では、青切符に押印を求められた場合の対応やその背景を解説し、対応時の注意点についても触れていきます。
青切符は、比較的軽微な交通違反に対して発行される「交通反則告知書」を指します。主に道路交通法違反をした際に発行され、名前の通り、用紙が青色であるため「青切符」と呼ばれています。交通違反を犯したときの罰則は大きく分けて、「軽微な違反」「重い違反」に分かれますが、青切符は前者に該当するものです。
具体的な違反例としては、以下のようなケースがあります。
これらの違反により発行される青切符は、基本的に違反点数が6点未満の場合に適用されるもので、「交通反則通告制度」により処理されるため、反則金を納めることで「刑事罰」として扱われない点が特徴です。青切符に対応することで、違反行為が重大な犯罪として裁かれることなく済ませられるため、手続きを行えば大きなペナルティを避けられます。
警察官が青切符に押印やサインを求める場合、「義務だ」と誤解しがちです。しかし、青切符へのサインや押印は、法律上では任意の扱いです。押印をすることは、違反事実を認めた証拠とはなりません。仮に押印しなくても、違反の内容が記録されていることに変わりはなく、その後の手続きも通常通り進められます。
河野太郎デジタル大臣が「青切符の押印は任意であり、サインや拇印を断っても問題ない」と公表したことで、多くの人がこの点を再確認するきっかけとなりました。警察官によっては押印を求める場面で「規則です」「義務です」と説明することもあるため、押印を断ることに躊躇してしまうかもしれませんが、実際には押印は拒否しても問題ないのです。
青切符のほかに、より重い違反に対しては「赤切符」という書類が発行されます。青切符と赤切符の違いは、その違反の重さと、対応方法にあります。
軽度な違反で発行される青切符は、手続き上の負担も軽減されていますが、赤切符は交通違反の中でも重大なものとして扱われるため、押印が任意というような簡易的な話では済まないケースがほとんどです。
結論として、青切符に押印やサインを求められても、拒否することは可能です。拒否したからといって、特別なペナルティが科されることもありません。しかし、拒否がもたらす影響についても理解しておくと安心です。
押印を拒否すると、違反を認めた証拠としての押印が残らないため、その場での意思表示が曖昧になってしまう可能性があります。また、押印を拒否しても、違反事実そのものがなくなるわけではなく、違反の内容は記録されたままです。
押印を断っても問題はありませんが、反則金の支払いについては対応が必要です。青切符の場合、指定された期日までに金融機関などで反則金を納付することで、刑事罰を受けることなく処理を完了できます。反則金の納付を行わない場合は、裁判所での手続きが求められる可能性があるため注意が必要です。
また、反則金の支払いに対しても拒否が続けば、最終的に裁判の場で争うことになります。反則金の納付は、基本的に「軽微な違反」をその場で処理する制度の一環として設けられているので、重大な問題に発展させたくない場合は速やかに対応することが望ましいでしょう。
青切符の手続きにはいくつかの注意点があるため、スムーズに処理を行うためにも覚えておきたいポイントです。
青切符の押印は任意であることを知っていれば、その場での対応にも迷わずに済むはずです。反則金の支払い自体も義務ではありませんが、支払いを拒む場合には裁判を覚悟する必要が出てきます。そのため、特に争う意図がなければ、早めに反則金を納付して手続きを完了させるのが安全です。
青切符にサインや押印をすること自体が、何か不利な証拠として扱われるわけではありません。ただし、義務と思い込まず、自分の意思で判断できるものだと理解しておくとよいでしょう。
青切符への押印は義務ではなく、サインや押印を求められたとしても拒否することが可能です。河野大臣のSNS発言をきっかけに、こうした押印が「任意」であることが広く知れ渡ることとなりましたが、最も大切な対応は「反則金の納付」です。押印を断った場合でも、違反事実は記録されたまま残り、支払期限内に反則金を納めることで処理が完了します。
自分の権利と義務を理解しつつ、今後もし交通違反で青切符を受け取った際には、適切な対応ができるよう知識を備えておきましょう。